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神戸市感染症情報 <特集> E型肝炎ウイルス 神戸市における感染症の動向 (平成17年18~21週) |
8巻6号 (No. 80) 平成17年6月発行 神戸市感染症情報対策委員会 事務局神戸市保健福祉局健康部予防衛生課 〒651-8570
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<特集> E型肝炎ウイルス
2004年8月に,北海道の焼き肉店で豚レバーを食べた6人がE型肝炎ウイルス(HEV)に感染し,1名が劇症肝炎で死亡したというニュースは,記憶に新しい。兵庫県内でも,2003年に野生のシカ肉を食べた4人が,HEVに感染しているが,あまり知られていない。
HEVは,A型肝炎ウイルス同様,経口感染する。直径32-34nmと小型の球形をしたRNAウイルスで,以前はノロウイルスと同じカリシウイルス科に分類されていた。しかし,遺伝子の違いから現在はE型肝炎様ウイルス属という暫定的な分類がなされている。
HEVを摂取しても,不顕性感染となることが多く,一部のヒトだけが肝炎を発症する。E型肝炎の潜伏期は,15-60日(平均40日)で,腹痛,食欲不振,暗色の尿,発熱,肝臓肥大,黄疸,吐き気などの症状が見られることが多い。急性肝炎を起こしても,大部分は完治し慢性化することはない。まれに重症化し死亡することもある。死亡率は1-3%であるが,妊婦の場合の死亡率は15-25%と高い。
日本国内で感染した事例では,豚,イノシシ,シカなどの内臓や肉の喫食が原因となった場合が多く,特に生食または生焼けで食べて感染している。北海道で販売されている豚レバー363個を調査したところ,7個(1.9%)からHEVが検出されたという報告もあり,豚レバーを含めて肉は十分に加熱して食べる必要がある。
E型肝炎は,国内で感染する事例より海外で感染することが多い。その多くは水系感染である。洪水後に飲料水が糞便で汚染されて,大流行が起こった例が多い。雨季に開発途上国に旅行する場合,特に注意が必要である。
E型肝炎の多く発生している地域としては,アフガニスタン,バングラディシュ,ミャンマー,中国,インド,インドネシア,マレーシア,モンゴル,ネパール,パキスタンなどのアジアの国々,旧ソ連に含まれるウズベキスタン,カザフスタンや中東,アフリカなどの国々,メキシコなどがある。
環境保健研究所企画情報部 飯島 義雄
<情報> 神戸市における感染症の動向(2005年5月・第18〜21週)
ウイルス感染
A型肝炎の報告が1例あった。ロタウイルスによる胃腸炎が,北区,中央区,西区などで発生している。
同性間性的接触によるHIV感染(20代男性),HHV-6による急性脳炎(6〜12ヶ月男児)の報告があった。
細菌感染
O26(VT1)による腸管出血性大腸菌感染症が1例,Klebsiella oxytocaによる細菌性髄膜炎が1例の報告があった。
原虫感染
アメーバ赤痢の報告が4例あった。そのうち2例は同性間性的接触が原因である。