1 日 目
病気の原因や治療法が確立していなかったころには「重症」と言う文字通り予後不良なことが多かったようです。現在はその多くが、神経からの情報を筋肉が受けるその受容体(AchR)に対する自己免疫疾患であることがわかり、治療法も確立され、重症と言う名前をはずすべきとの意見もあるくらいで、病気を持っていてもごく普通の生活をされている方がほとんどです。
病型(眼筋型と全身型)、症状の重さ、発症年齢、合併症(胸腺腫)、AchRに対する抗体(抗AchR抗体)の有無によりいろいろですが、一般に全身型、40歳以上での発症、短期間で症状が重くなる人、胸腺腫を合併している人、抗AchR抗体が陰性(その多くが抗MuSK抗体陽性)の人の場合、それ以外の人と比べると予後が悪いとされています。なお、この病気は、他の病気に対する薬剤や風邪などの感染症、精神的・肉体的ストレスなどで急に悪くなることがありますので、症状の変化に際しては早めに主治医に相談することが大切です。
まず、神経難病についてですが、神経系の病気で原因がはっきりせず、そのため根本的な治療法がなく、進行性の病気を総称して言っているだけで、もともときちんとした定義があるわけではありません。代表的な疾患の中で、純粋な筋萎縮性側索硬化症(ALS)は認知症を認めることはありませんが、特殊な病気として数は少ないものの認知症を伴うALSなどもあることが知られています。最も多い、パーキンソン病では最終的に半数以上が認知症を伴うのではないかとの報告もありますし、その他パーキンソン病関連疾患でも認知症を伴うことが多いようです。なおパーキンソン様症状を伴うことが多いレビー小体病は認知症において、アルツハイマー病、血管性認知症についでわが国では3番目に多い疾患です。脊髄小脳変性症は多くの病型がありその中には認知症が出てくるものも知られています。多系統萎縮症でも認知症が出現することがあり、そのほかの神経難病と言われているものはむしろ認知症が出現することのほうが多いと考えられます。
パーキンソン症状がパーキンソン病によるものか、パーキンソン症候群によるものか鑑別することが大事ですので、できれば専門医に診てもらうべきでしょう。しかし、パーキンソン症候群なら、抗パーキンソン剤は効きにくく、副作用ばかりが出ることが多いので、治療しないことも多く、そこまで判断し整形の先生が見てらっしゃるのかもしれません。また、パーキンソン病としても、認知症があって、高齢であれば薬が効きにくいし、幻覚などの副作用が出やすい状態であることを考え慎重に治療していく必要があります。
長期に抗炎症薬を服用していたリウマチ患者にアルツハイマー病の発症が少ないという事実から、抗炎症薬のNSAIDsがアルツハイマー病の治療薬として有効ではないかと考えられました。当初NSAIDsは神経細胞が死ぬのを抑えるのに有効とされましたが、アルツハイマー病に関係するβ蛋白ができるのを抑えるという指摘もあります。現在では大規模な臨床試験の実施が求められています。しかしアルツハイマー病に対して用い、明らかに有効と判定されたものはありません。
研修会でも申上げた通り、自分の専門分野を公表しない医療機関が多く、よくわからないというのが実際のところです。神戸市西部では長田区の西市民病院が老人性認知症疾患センターを院内に設置しており、中心的な役割を果たしています。センターに紹介して、確定診断と治療方針決定後はセンターにまかせる形で、地元の関係医療機関に紹介してもらうのもいいでしょう。認知症で重症な精神症状があり、緊急に精神病院への入院が必要なケースについては、地元の健康福祉課の精神保健相談の担当者に病院を紹介してもらってください。認知症の精神症状があっても、外来での対応が可能なケースについては、地元の医師会の「主治医紹介制度」を利用して、精神科の主治医を紹介してもらうのがいいでしょう。
重度アルツハイマー病に対しては、通常アリセプトは用いません。症状の進行を抑えることがあまり期待できず、精神症状をかえって悪化させる場合もあるからです。
問題行動の背景の多くにはBPSD(行動心理症状)があり、対症療法にすぎませんが、焦燥性興奮(攻撃、暴言暴力、落ち着きのなさ、不平を言うなどを含む)は薬の効果が期待できます。しかし高齢者では、代謝能力が劣り、身体疾患の合併が多く副作用が出現することなどから、まず薬物療法以外で対処し、薬物を使用する場合には少量かつ短期間を心がけることになります。
焦燥性興奮などのBPSDに変化がみられない場合、あるいは興奮が強いなどの緊急性がある場合には、薬物療法を開始することになります。質問から施設の方とお見受けしますが、施設の多くには精神科医がいて、いない場合は地元の健康福祉課の精神保健相談の担当者あるいは、地元の医師会に相談して精神科医を紹介してもらうのがいいでしょう。認知症が中等度以上になると、介護者による適時の配薬が不可欠となります。
2 日 目
内部障害の等級が3級の身体障害者手帳所持者は福祉医療費助成制度の対象となりますので、保健医療の対象となる医療費については助成の対象となります。(訪問看護ステーションによる訪問看護は対象外)
詳しい内容や手続き方法は、お住まいの区の区役所・北須磨支所の国保年金医療係または出張所までお問い合わせください。
関節リウマチによる関節の破壊が進行し、関節が壊れてしまった場合、関節の機能障害の程度に応じて人工関節置換手術を行うことがあります。よく行われるのは膝関節、股関節ですが、足関節、肩関節、肘関節等にも人工関節が用いられます。
人工関節の利点は、除痛効果に優れ、関節可動域もある程度確保され、関節の安定性も得られることです。
欠点は、人工物ですので壊れた場合自然治癒能力がないため再手術が必要になること、感染に対する抵抗力が無いこと、骨と人工関節の間で緩みが出てしまうことがあることなどです。入れ歯を入れたことのある方はお分かりだろうと思いますが、入れ歯が緩み、合わなくなると痛みが出ます。同じように人工関節も緩んで合わなくなれば痛みが出るわけです。
手術の時期は、関節の破壊によりADLが相当傷害された時期ということになりますが、患者さんのお仕事、日常生活の活動性、全身状態、リウマチの活動性などに左右されます。主治医の先生と相談してみてください。
3 日 目
やはり、専門の医師の診察は必要と思いますが、どうしても通院が嫌ならセラピストを訪問指導という形で導入してみてはどうでしょうか。
炎症時に痛みを起こさせないで運動することはかなり困難と思います。せめてものやり方としては関節運動を伴わない同時収縮(例えば肘を伸ばす筋と曲げる筋を同時に収縮させて肘は動かない状態で維持する)させる方法がありますが、実際は痛みのある時は安静が一番ではないでしょうか。
「身障医療の訪問リハビリ」というものの存在が不明です。おそらくこのような制度はないと思いますので併用は無理ではないでしょうか。
現在は疾患毎に日数制限が設けられているので、何らかの新たな疾患が発症しない限り難しいと思います。
しかし、医療保険の除外規定「医師が回復する可能性があると判断した場合」もありますので主治医に相談してみてください。
除外規定があります。「回復する可能性があると医師が判断した場合」となっています。
4 日 目

図を描いてみましたが、本物を見てさわるのが一番だと思います。
入浴時の制限は特にありません。
認知症のために義歯が不都合になることはないと思います。
認知症の病状により、義歯の管理がうまくできなくなったり、残存歯牙がウ蝕になったり、冠脱離、破折や歯槽膿漏での歯牙の動揺などで、義歯の不適合となる可能性は認知症を合併していない要介護者より多いかもしれません。
認知症の症状によって大きく異なると思います。
歯科医師の指示通りにケアできる利用者は、ほとんど問題ないでしょう。協力性の乏しい利用者では非常に困難な場合があると思います。
まず、指示通りにしてもらえない、つまり開口指示で口を開けてもらえない、歯をくいしばる場合は、介護者(家族)の指示や模倣により可能になることがあります。同一人物でも良好な関係にある介護者と、そうでない場合では違いが見られます。
義歯による痛み(粘膜の傷)は、粘膜にはっきりと傷がみられれば、解決しやすいですが、傷になっていないとなかなか解決しません。
特に、食事をする時に外す、口腔内に装着していても外してしまう等の義歯による痛みを中心としたことで外すのか、もともと本人は食事以外の家にいる時は外していた習慣であるのか等の確認も必要です。
ほとんどの場合、使用されている義歯があれば、その義歯を用いて調整していく方が、いきなり新調するよりスムーズにいく場合が多いと思っています。現在ある義歯の調整・修理を通して、その人の行動を理解する時間が持て、新調時に必要な義歯作成に必要な情報を収集できる可能性があります。(例えば、精密な口の型を取る印象の材料の硬化する間を動かずにいてもらい、咬み合わせを正確に取らなければなりません)
以前、口腔内に装着されている義歯の着脱を何回にも渡ってさせてもらえなかった認知症の方がおられました。施設スタッフの方でも非常に大変でしたが、特定の介護者の指示には従ってくださいました。本人の拒否がどうしても強い場合は、全身麻酔を用いて処置を行うことにより、精神的にリラックスでき、精度の高い歯科処置が行える場合もあります。また、開口器を使用して行うこともあります。